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第70回大河内記念賞を受賞~通信・自動車市場向け薄層大容量積層セラミックコンデンサ用誘電体材料の開発および量産化で産業の発展に貢献~

2024/03/25

株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨

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株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、第70回大河内賞において、通信・自動車市場向け薄層大容量積層セラミックコンデンサ用誘電体材料の開発および量産化により学術の進歩と産業の発展に大きく貢献したとして「大河内記念賞」を受賞しました。

 

大河内賞について

生産工学、生産技術、生産システムの研究並びに実施等の業績のなかで、学術の進歩と産業の発展に貢献した、卓越した業績を表彰する賞です。今回当社が受賞した「大河内記念賞」は、大河内賞の中でも最も優れた業績に贈られる権威ある賞です。

詳細は以下のウェブサイトを参照ください。
公益財団法人 大河内記念会 (okochi.or.jp)

 

本受賞について

積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、スマートフォンや自動車・基地局・サーバなどの様々な電子機器に搭載されており、電流のノイズを除去する特性や電圧を一定に保つ特性によって電子機器の安定動作に貢献しています。それら電子機器の小型化・データ処理能力向上・安全機能化に伴い、より小型で大容量かつ高信頼性のMLCCが求められています。本受賞は、優れた特性を持つチタン酸バリウム(BaTiO3)系誘電体材料の開発、および精密に制御された誘電体層と内部電極との積層構造の形成により、MLCCの小型化と大容量・高信頼性を実現したことが評価されたものです。

 

特徴と成果

微細で均一粒子径のチタン酸バリウム(BaTiO3)粒子の形成、副成分の均質添加、粒子分散により、MLCCに求められる高誘電特性・絶縁耐性を高いレベルで発現できる誘電体粒子の製造に成功しました。この誘電体粒子の製造に合わせて薄層化におけるプロセス設計を行い、誘電体層厚さ0.5μmの薄層大容量MLCCの開発に成功しました。また積層・焼成プロセスの制御により、均一厚さの誘電体層と内部電極の緻密な積層構造を形成することで、特性の経時劣化が少なく温湿度など外部環境による影響が小さい、高い信頼性を実現しました。これら誘電体粒子の製造やプロセスの構築はMLCCのラインナップ拡充に貢献してきました。このような小型大容量で高信頼性のMLCCの開発・量産化は、各種電子機器やモジュールの小型化・高効率化・多機能化に寄与しています。

 

将来展望

本業績により、拡大が予想されるエレクトロニクス市場でのMLCCの利用がさらに増加し、産業の発展や省エネルギー・省資源にさらに貢献することが期待されます。

当社は今後も、新たな価値提供につながるイノベーションを推進し、業界をリードする革新的な製品や技術を提供して人々の暮らしを支え、企業価値の持続的向上を目指して前進していきます。

 

今回の受賞対象者の受賞に際してのコメント

株式会社福井村田製作所 矢尾 剛之
「このたび、光栄なる賞を受賞することができ、心から感謝しています。この賞は、多くの関係者の皆様の協力と支援があってのものです。本当にありがとうございました。今後もさらなる成長と発展を目指し、より一層努力してまいります。」

株式会社村田製作所 中川 利治
「このたび、このような栄誉ある賞を頂くことができ誠に光栄に思っております。また、受賞にあたっては諸先輩方の技術の積み重ねとともに、多くの方々の支援なくしては実現できなかったと思っています。この場を借りてお礼申し上げます。今後も皆さまのお力添えを頂きながら、より良い製品を生み出していけるよう努力していきたいと思います。」

株式会社村田製作所 武藤 和夫
「歴史の深い、栄誉ある賞を頂くことになり、非常に驚いています。関係者のみなさまの協力とサポートがあったからこそであり、感謝いたします。これからも、この賞に恥じないよう、新たな挑戦に取り組んでいきます。」

 

関連サイト

■第70回大河内賞 受賞企業一覧
財団法人 大河内記念会 (okochi.or.jp)


ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。

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